キルギス旅の大本命、イシククル湖。
外国人観光客はもちろん、キルギス人からも休暇先として人気の場所だそうです。
私たちは、北から南へ合計6泊してイシククル湖を一周しました。
【イシククル湖一周の流れ】
- チョルポンアタ(1泊)
- グリゴリエフカ(1泊)
- カラコル(2泊)
- ボコンバエバ(2泊)
ボコンバエバに行った最大の目的は、これ!
スカスカ渓谷
※スカースカ渓谷、スカズカ渓谷、フェアリーテイルキャニオン(Fairytale Canyon)など、いろいろな呼び方があります。
この記事では、イシククル湖南部で拠点にしたボコンバエバ(ボコンバエヴァ/ボコンバエヴォ)という街での滞在と、スカスカ渓谷の観光情報について共有します。

渓谷はもちろん、“人”も良すぎたボコンバエバ。個人的には、忘れられない思い出になりました。
少し長くなったので、スカスカ渓谷について知りたいという方は、下の目次から「スカスカ渓谷」に飛んでください。(失敗談を書いているので、これから行くという方は要チェックです!)
ボコンバエバへのアクセス
私たちはカラコルに2泊していたので、カラコルからボコンバエバへ向かいました。

行き方はシンプル。イシククル湖での移動手段はやっぱりマルシュです。
ここが、ボコンバエバ行きのマルシュが出るバスターミナルです。
カラコルにはいくつかバスターミナルがあり、行き先によって違うので要注意です。


私たちは11:30頃バスターミナルに到着しましたが、ボコンバエバ行きのマルシュを見つけて乗り込んでから出発まで、40分くらい待ちました。
時間には余裕をもっておいた方がよさそうです。

現在、イシククル湖周辺はどこもかしこも工事中。道は悪いですが、窓から見えるイシククル湖は大変美しかったです。(カラコル→ボコンバエバは右側の座席がおすすめ!)

ひたすら荒野を進みます。建設中のホテルや施設がたくさんありました。現在進行形で開発中の街を見るのは結構面白いです。工事の完成が楽しみです。

え?というオブジェ(?)も発見。
出発から約2時間半後、ボコンバエバのバスターミナルに到着です。
スカスカ渓谷観光では、「ボコンバエバ」の他に「トン」を拠点にするのもアリ!
- ボコンバエバ
- トン村よりも大きい町。バスターミナルがあるのでマルシュが拾いやすい。
- トン
- ボコンバエバよりもスカスカ渓谷に近い。イシククル湖が近いので、湖も楽しめる。

私たちは、帰り(ビシュケク行き)のマルシュのことを考えて、ボコンバエバに拠点を置くことにしました。
ボコンバエバでの宿
ボコンバエバでは、「Guest House Nurgul」に宿泊しました。
「数日前でも予約が空いていたから」という理由でここに決めたのですが、この宿が良すぎて、ボコンバエバという町が大好きになりました。
宿のすぐ近くは大絶景!
ボコンバエバのバスターミナルから宿までは、徒歩10〜15分ほどでした。
バスターミナル近辺を離れると、ザ・田舎町という感じです。Googleマップに載っている道と違って少し遠回りしたのですが、そのおかげでこんな絶景スポットを見つけることができました。



この道を進んだ先に宿を発見し、無事にチェックイン。
【宿レビュー】
- 共用バスルームがとてもきれい
- お湯・水圧バッチリ
- タオルあり
- 使い捨てスリッパあり
- 外に洗濯物干し場あり
- 朝食付き
- アットホームな雰囲気
- 近所にお店やレストランはない
- 宿主さんは英語が話せないが、親切でフレンドリー。翻訳アプリでやり取りをする。
- 1泊約4,000円
子どもたちとの出会い
チェックインした後、宿周辺の景色を撮影したくてふらふらしていたら、子どもたちに出会いました。

この子たちにとってはただの“日常”かもしれませんが、こちらからすると絵になる光景。たくさん撮らせてもらいました。

こんな絶景が遊び場なんて、羨ましい!

やさしくて、人懐っこくて、とてもいい子たちでした。

村を案内してくれるというのでついていくことに。

まるで探検です。
会話はGoogle翻訳でしていたのですが、途中、「疲れてないですか?」「危ないから気をつけて」「荷物を持ちましょうか?」など、よく気遣ってくれました。なんて素敵な子どもたち!
キルギスの人々の優しさ、温かさをまたも感じました。

しばらく一緒に過ごして、宿の方向に帰ります。

さらに小さい子たちも合流。

なかよしの女の子たち。

兄弟の2人。自転車に乗せてもらって嬉しそう。

なんと、案内してくれた子たちのうちの1人は、宿泊先の宿の息子さんだったのです。全然気づきませんでした。宿に戻ってもしばらく一緒に遊びました。

帰り際、女の子が投げキッスと共にお花を渡してくれました。可愛すぎます。
美味!キルギス家庭料理
夕食は、追加料金500ソム(約828円)で注文することができ、せっかくなのでお願いしました。
バスターミナル付近(徒歩10〜15分)は少しレストランなどがあるので、食べに行っている人もいました。
【夕食】

なにが出てくるかなと楽しみにしていたら、初めて見る料理が!
キルギスの家庭料理『オロモ』です。
中央アジア周遊をしている私たちは、既に中央アジア料理を何種類か食べていたので、まだ食べたことのない料理にテンションが上がりました。
しかも、レストランでは見ない家庭料理。注文してよかったです。

これが絶品。
ワンタンのような厚めの皮に、じゃがいもや玉ねぎなどの野菜がたっぷり詰まっています。
蒸しているので、中央アジア料理によくある油っぽさはなく、とても食べやすかったです。

このプレートの他に、パンやティーも食べ飲み放題でした。オロモは、おかわりもできました。(大食いの私にとっては大変ありがたいサービス)
【朝食】
朝食は、7:00からお願いしました。
7:00前には準備を完了してくれていて、日本を感じました。

野菜も卵(しかも焼きたて!)も摂れて、旅人にとってはかなり嬉しいメニュー。

パン、ティー、コーヒーはセルフで。クッキーもありました。

きらきら輝くフルーツジャム。
朝、美味しい朝ごはんをゆっくり食べられることに幸せを感じました。
スカスカ渓谷
朝ごはんを堪能した後は、ついにお目当てのスカスカ渓谷へ出発です。
そもそも、スカスカ渓谷とは?
- 「キルギスのグランドキャニオン」とも呼ばれている奇岩渓谷。
- 「スカスカ(Skazka)」とはロシア語で「おとぎ話」を意味する。
【おとぎ話の一部…】
古い伝説に登場する龍が岩になってスカスカ渓谷ができたと言われている。そのため、しばしばこの渓谷の奇岩は龍の姿に例えられる。
ボコンバエバ→渓谷へのアクセス
9:00頃 ボコンバエバのバスターミナル
ボコンバエバのバスターミナルから、「カラコル行き」のマルシュを探します。
運転手さんに、「スカスカ!」と伝えたら、スカスカ渓谷への料金を教えてくれますし、マルシュを降りるときにも一声かけてくれます。
10:40 スカスカ渓谷到着
スカスカに着くと、運転手さんが停車して声をかけてくれました。
降りるのはmapの場所ではなくて道路沿いですが、このような看板がある場所なので分かりやすいです。

【注意!】道を間違え4時間放浪
いきなりですが、注意です。

スカスカ渓谷に行くには、ここを左ではなく…

青色の看板の方へ進んでください。
青色の看板には、ロシア語で『谷』と書いています。つまり、渓谷のことです。
いや、そこは英語で書いてくれ!というか、もっと目立つようにしてくれ!
と言いたい気持ちは山々ですが、ロシア語を使う国でそんなことを言っても仕方ありません。私たちは、何の疑いもなく左へ進み、レストランの先へ進みました。

青色の看板、完全に視界に入ってなかったーーーーー。残念無念。

進んだ先にこんな綺麗な景色が広がっていたら、「まさか道を間違えている」なんて思いもしません。

でも、経路が不明すぎて、プチ山登りしては、「道なくない?」「これ、合ってる?」と何度も呟いていました。
合ってません

これはこれで異世界感があって楽しかったので、どんどん奥へ。(その先にスカスカ渓谷があると信じて)

蜂がブンブン飛び回っていた綺麗なお花。こんな場所にも、花が咲いているのですね。

初めて人を見ました。
本当に、蜂かハエか動物のフンしか出会いませんでした。
他の観光客がいない時点で気づけよって感じですが、「(スカスカ渓谷は)そこまで人気じゃないんかな?」「午前中やからかな?」という理由で、特に気に留めていませんでした。

おもしろい植物が多いです。

奇岩からにょきにょき出ている木のツル。

「お?これが噂の龍の背中か?」とか言って(違う)

「これがスカスカ渓谷の一番の見どころ?」とか言って(違う)

黄色い岩肌。初めて見る景色。

人がいないのでゆっくり撮影したり、気になる岩があれば登ってみたり、砂隠れ(ナルト)ごっこをしたりしながら楽しんでいると、あっという間に時間が経っていました。
正解はわからなかったけど、これ以上行っても何もなさそうだし、いい加減疲れたし、帰るか!ということで、最後に記念撮影(影)をして帰路につきました。
ということで、約4時間ぐらいずっと偽物の渓谷を散策していました。
レストランで休憩

スタート地点の施設には、トイレもあります。(無料)

中も結構綺麗。ですが、トイレットペーパーはありませんでした。

レストラン横のこのスペースにバックパックを置いている人もいたので、大きい荷物を預けることもできるのかもしれません。

14:30 レストランで休憩
疲労と空腹でぐったりだったので、レストランで休憩。
スカスカ渓谷周辺に、ここ以外の飲食店はありません。

おしゃれな店内です。

焼きラグマンと

チキンと野菜の炒め物を注文。

カトラリーも素敵です。

ちょっとしたお土産コーナーもありました。
下界に降りて、空腹を満たして冷静になったところで、あることに気付きます。
「観光客、多くない?」
レストランで休憩している人もちらほらいました。さすがに、これで1人も観光客に会わなかったのはおかしすぎる。ここでやっと疑い始め、最初の看板のところへ。

そうして、この青い看板の存在に気づき、Google翻訳で「谷」と書いてあることを知り、今まで自分たちは4時間もの間、観光地でも何でもないただの荒野を放浪していたのだと悟って、2人して唖然とするのでありました。
感動!本物はすごかった
16:00前 間違いに気付く
朝から暑い中歩き回ってへとへとです。「偽物も楽しかったし、もういい時間やし、このまま帰ってもいいんじゃない…」という気持ちが散らつきましたが、

ここまで来たなら、本物も行くしかない!
その一言で、よし!行くぞ!という気になり、気持ちを切り替え前進。

本物の道を進むと、ちゃんとエントランスがありました。
大体20分ほど歩いたら、たくさんの人が。

…本物に着いた!!

このような階段をどんどん登ります。

結構高いところまで来ました。特に柵もないので、下を見ると足がすくんでしまいそう。頂上からの景色は…

本物でした。
いやー、さすが本物。さっきまでの景色とは桁違いです。力を振り絞って来て本当によかった!

上から眺める景色。今まで辿ってきた道が一望できます。ゴツゴツしている岩がかっこいい。

いろんな色の奇岩が混じり、不思議な光景です。まさに異世界。他の惑星にいるような感覚に。

これが、龍の背中かなあ。
- 結構滑るため、散策をしっかり楽しみたい人はスニーカー推奨。ただし、我々含めサンダルで来ている人もいたので、行けないわけではない。
- 5月初旬でも、日中の気温は高い。日焼け対策は念入りに。私は、日焼け止めの塗り忘れがあり、皮が剥けるほど焼けた。帽子・水分補給などの熱中症対策も必須!
頂上でこの景色を眺めていると、「この旅が始まって、一番の感動だ」と感じました。
約1ヶ月間、中央アジアのいろんな景色を見てきましたが、圧倒的な感動でした。今後の旅でも、“一番の感動”を更新していくのが楽しみです。
ということで、大自然が好きな人、特に渓谷(キャニオン)好きな人には、とってもおすすめの場所です!
渓谷→ボコンバエバへのアクセス
17:40 マルシュ探し
ボコンバエバへ戻るときは、スカスカ渓谷前の道端に立ち、手を挙げてマルシュを拾います。
17:00過ぎだったのもあり、そもそも通るマルシュが少ない印象でした。その中でも通ったマルシュに手を挙げてアピールしますが、満員のケースが多くてなかなか乗れず。
何回かスルーされて不安になりましたが、停まってくれたマルシュが!意外と、道端に立ち始めてから8分後には乗ることができました。
無事に帰れそうでホッと一安心。
手を挙げて停まってもらうヒッチハイクスタイルなので、暗くなると見つけてもらいにくい。日が暮れる前には帰るのが安心!
18:30 ボコンバエバに到着

長かった1日の終わりに飲んだこのレモネードが、とてつもなく美味しかったです。この「ava」というドリンク、おすすめです。
さいごに
いかがでしたか?
スカスカ渓谷では、まるで異世界にいるかのような絶景を楽しむことができます。キルギスに行ったらぜひ訪れてほしい、おすすめの観光スポットです!
そして、その際はぜひ、ボコンバエバの町の「Guest House Nurgul」に泊まってみてください。
キルギスの人々の温かさに触れられるこの滞在は、きっと、一生の思い出になるはずです。

それでは、全4編でお届けした【イシククル湖一周】シリーズも、今回で終わりです。
最後まで読んでくださりありがとうございました^^
【イシククル湖一周①/チョルポンアタ編】キルギスのリゾートへ行ったら、大工事中だった…

【イシククル湖一周②/グリゴリエフカ編】これぞキルギス!ユルトに泊まって、渓谷をハイキング

【イシククル湖一周③/カラコル編】温泉・街歩き・おいしいご飯でのんびりステイ

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