カザフスタンの首都アスタナから、「南の首都」と呼ばれる都市アルマティへ。
私たちは、カザフスタン鉄道の高速列車「タルゴ」に乗って移動しました。
この記事では、実際にタルゴに乗ってみてどうだったか、車内の環境や過ごし方などについて共有します。

予約方法については、カザフスタン鉄道のアプリの流れを全て日本語翻訳に直し、こちらにまとめました。これを見ながら進めればきっとスムーズに予約できると思うので、ぜひご覧ください。


予約だけがネックですが、それさえ乗り越えたら快適でリーズナブルな移動が待っています!
列車の基本情報
同じ日に何本か便が出ているので、便によって違いはありますが、私たちが乗車した列車はこのような感じ。
- 出発駅:ヌルル・ジョル駅
- 到着駅:アルマティ2駅
- 乗車時間:20:20〜12:45(16時間25分)
- 座席タイプ:クーぺ
- 料金:21324テンゲ(約5,940円)※1人分
日数に限りがある方は飛行機の方が効率がいいと思いますが、日数に余裕のある方、少しでも節約したい方、カザフスタンの大自然を楽しみたい方にはぴったりの移動手段だと思います。
最初に、多くの方の不安要素であろう、このようなポイントについて触れます。

鉄道で移動って…、遅延したり、不潔だったり、人がごった返していたり、大変な旅になるんじゃない?
大丈夫です。
遅れず、(大幅には)
清潔で、
快適です。
あ、でも、これはあくまで私個人の基準です。
潔癖の方や周りの音が気になって眠れない方は、つらいと感じる部分があるかもしれません。
出発駅へ
乗車当日は、まず出発駅へ向かいます。
以下の2種類の駅から出ているようなので、自分の列車がどちらの駅から出るのかを確認してください。
- ヌルスルタン1駅(Nur Sultan-1 Staton)
- ヌルル・ジョル駅(Nurly Zhou)
※Yandex Goのアプリで調べるときは英語で検索
この2駅は結構離れていて、車で40分ほどかかるので、間違えないように要注意です!

ヌルル・ジョル駅

ヌルル・ジョル駅に到着。
さすが、「新駅」と呼ばれる駅。予想以上の大きさと綺麗さにびっくりです。
いざ、中へ入ってみると…

え?
(って言いました。)
ガラーンとしていて、もの寂しい雰囲気。
外観だけ立派で中がスカスカなのは、アフリカでも中央アジアでもあるあるのようです。
Yandex Mapを見ると、駅構内にいくつもカフェや飲食店があるようですが、入り口付近には2〜3軒あるだけで、しばらく彷徨いました。
彷徨っているうちに、入ってはいけないところに入ってしまったようで、係のお兄さんに足止めをくらいます。
「カフェに行きたい」と言ってPDFの乗車チケットを見せると、「あ〜」と言って、案内してくれました。

「カザフスタンはどうだい?」と聞いてくれたり、よく話してくれるフレンドリーな方で(カザフ語だからほぼ分からなかったけど)、最終的には「インスタ教えて?」と。このゆるい感じ、好きです。
お兄さんについて行っただけなので、どこからどう行ったかは覚えていませんが、とりあえず、5階に行けば色んな飲食店やチケット窓口、列車の電光掲示板があります。

駅に入ったら、エレベーターで5階へ行くべし!
飲食店やカフェがたくさんあります。KFCやバーガーキングもありました。



私たちは、このお惣菜屋さんのようなところで小腹を満たしました。
マンティ2つ、ハンバーグ1つで1,400テンゲ(約390円)ほど。

上のフロアには、Dosmartというコンビニのようなところもありました。列車の中での飲食物をゲットすることができます。
パン、お菓子、フルーツ、飲み物、ヨーグルトなど、一通りのものは揃っています。
カップラーメンもたくさんありました。車内はお湯も利用できたので、部屋で食べることもできそうです。(相部屋の場合においが気になりますが…)




出発時刻は20:20だったので、20時前にはホームに行きました。

実際に5階に行けばわかると思いますが、KFCの前にこのような電光掲示板があります。
自分が乗る列車を見つけたら、一番右の欄(TRACK)を見ると、ホームの番号がわかります。
車内の環境
ホームに降りたら、まず、自分が乗車する号車を探します。
号車番号はチケットに記載されています。わからなければ、駅員さんに見せると案内してくれるはずです。

各扉の前には駅員さんが立っているので、チケットとパスポートを見せます。
確認が済むと中に入れます。

2等車であるクーペの中はこんな感じ。
鍵付き個室で、4人一部屋です。
2人で予約した場合、あと2人は他のお客さんが乗ってきます。
男子部屋、女子部屋のような決まりは特にないようです。夫婦やカップルで乗る場合、予約時に指定すれば男女同じ部屋にすることができます。

私たちは下のベッドを2つ分予約していましたが、先に部屋に入っていたおばちゃんが私たちの席である下のベッドに座っていました。
そのうちどくかな〜としばらく横に座っていましたが、なかなか動こうとしません…。
よっぽど上の段が嫌だったのか、ついには駅員さんに交渉し、なんと違う部屋に移動になりました。
ということで、4人部屋だけど2人で貸切に。(夜中に停まった駅で新たなおばちゃんが乗ってきて、また3人になりました)

ちなみに、上のベッドはこんな感じ。
駅員さんが鍵を開けて収納式ベッドを引き出すので、上の段にお客さんがいなければ、広いまま使えます。


ベッドの下には、機内持ち込みサイズのバックパックやスーツケースが入るスペースがあります。

部屋にはゴミ箱も。

なんと、シーツやタオルまで。ホテルですか?すごいです。

通路には、水のジブと紙コップ。お湯も選べます。

ちなみに、3等車の席はこのような座席です。これで一晩明かすのはきつそうです…。

水道。
写真は撮り忘れましたが、この左はトイレでした。
飛行機のようなキュポッとなるタイプのトイレで、洋式です。
どうしてもタンザン鉄道(タンザニア→ザンビアの国境越え3泊4日)と比べてしまうからか、全体の印象としてはかなり清潔で快適です。
とくにクーペの個室内はとても綺麗で、汚れや破れはないし、壊れているような部分もありませんでした。
車内での過ごし方
発車予定は20:20だけど、いつ出発するかな〜と思っていたら、
なんと、20:20ちょうどに出発しました。
今回一番びっくりしたことの一つです。

日本を感じました。
Wi-Fi・電波
そして、要注意ですが、どこかの情報で「タルゴ車内はWi-Fi完備」と書いてありました。
私もそれを信じて車内で作業する気満々だったのですが、乗車して駅員さんにWi-Fiパスワードをきくと、「ない」と言われました。
タルゴの車内にWi-Fiはない。
列車によるのかもしれませんが、ないつもりをしていった方がいいかもしれません。
電波も、人が住んでいるような街を通るときは繋がりますが、荒野だと繋がらないことも多いです。国土が広すぎるので、仕方ないですね。
カザフの車窓から
朝が来て明るくなれば、窓からの景色を楽しむこともできます。


変わらない景色に見えるかもしれませんが、花が咲いていたり、家があったり、犬が走っていたり、馬の群れがあったり、鳥が飛んでいたり、鳥の巣だらけの木が何本も立ち並ぶ道を通ったり…
ぼーっと外を眺めているだけでも結構おもしろいです。
という私は、乗車時間の9割を寝て過ごしましたが。
食堂車もあったので、そこで食事をすることもできるようです。
夜行寝台列車ということもあり、約17時間の列車の旅もあっという間でした。
アルマティに到着!
アルマティ2駅には、13:30頃到着しました。
予定到着時刻とは45分遅れですが、問題ありません。優秀です。

「りんごの街」と呼ばれるアルマティ。
早速、たくさんのりんごが売られていて、おとぎ話のような世界感にワクワクします。

ちなみに、アルマティには地下鉄やバスで使える「オナイカード」という交通カードがあるのですが、駅構内で聞き込みをしてみても、どのお店も取り扱っていないということで買えませんでした。(チャージする機械はたくさんありました)
ということで、無事にアルマティに到着。
夜行列車でしっかり眠れたので、それほど疲労も感じずアルマティ旅のスタート!
みなさんも、ぜひカザフスタン鉄道のタルゴを利用してみてくださいね。
コメント